意外と会社は合理的 組織にはびこる理不尽のメカニズム
レイ・フィスマン
日本経済新聞出版社
2013-12-14

こんにちは。

過去を振り返った時、理不尽であればある程、人はその過去の自分に弁護士をつけたがります。
そして、その自分の選択は間違っていないことや、自分の主張は間違っていなかったと言い張り、相手の言い分を受け入れようとしません。自分が陥った状況が厳しくなればなるほど、過去の理不尽に感謝することは難しくなります。
そうなると、過去の理不尽は大変にあなたに厳しいものとなり、だからこそあなたは、第三者にジャッジメントを求めたくなります。しかし、過去の理不尽が生んだ思いがけぬ、「いい結果」があると、あなたは過去に対して、ジャッジメントを求めることはないと思います。

それでは、過去のあなたは、理不尽に対して、第三者的なジャッジメントを求めたいと思う時は、どんな時なのでしょうか。

今が幸せであって、そして改めてあの時の理不尽を思い出して心が痛むとき。
または、今が不幸せであり、自分はあの時から歯車が狂ってしまったと思って悔やんでいる時。
もう、終わろうとする人生の中で、総終活として、改めて色々な理不尽を思う時。

しかし、どんな時であろうと、理不尽には沢山の人間が絡んでいます。その人間一人一人に弁護士をつけて争ってみたら、きっと答えは出ないことでしょう。だから、理不尽には答えが出ないのです。

ただ、ひとつだけ、理不尽に涙するあなたに、こんな話をお伝えする事ができます。
意外と世の中は、合理的にできており、一見非合理的に見えるのですが、意外と世の中の進み具合は、合理的にできています。
例えば、ユーカリの種を考えてみましょう。
あれは、そのまま地中に埋めておいては芽が出ない種です。一旦、山火事のような炎で熱く熱しておかないと、芽が出ないという種です。
それが分かれば、ユーカリを育てる時は、簡単になりますが、そのことが分からないと、どんなタイミングでユーカリの種が発芽するかはわかりません。それと同じく、世の中は一見不規則な非合理的な動きで進んでいるように見えますが、実はかなり規則性があって進んでいます。

そこが分かるようになると、あなたの理不尽は、実はその時は受け入れられなくて当たり前だったのだなということが分かるようになり、自身の感情を抜きにして不条理を片付ける事ができるようになります。

世の中がどういう規則性に乗っ取って進んでいるのかは、沢山の数学者や沢山の物理学者や、沢山の科学者哲学者が模索をしているところですが、ひとつだけわかることがあるとすれば、全てには流行があり、その流行は、よく「最先端」と呼ばれることがあります。
その「最先端」を信じて流行に流され、その当時の流行で色々してしまった人には、沢山の理不尽というものが後からやってきます。最先端に敏感だったのだから、どうしてだろうと思う点がありますが、最先端は、そもそも流行であり、流行はめぐります。

医学の世界でも、最先端と称した流行は、色々な科をまたいで、起きています。
切って貼る商売が流行ったり、眼科が流行ったり、保険点数が高くなるものが流行を呼ぶようです。同時に介護の世界では、本来なら自立して欲しいけれど、自立を阻害するような営業をかけろと言われ、寝たきりの方があっという間に増えることもあります。

意外と、そんな中で、トライアンドエラーと呼称されますが、実験的に行ってみて、また失敗を活かすというやり方が、世の中の規則の中にあるようです。そして、そのトライの間、トライに乗っかってしまった人は、儲かる人と、落ちぶれる人の格差を大きく広げるようでもあります。乗らない人には、意外と通常通りの生活しか待ちませんが、大変危険な賭けではありますが、そんな規則性があるようです。

あなたもまた、あなたの理不尽も、家族のトライアンドエラーのひとつの失敗だったのではないでしょうか。トライアンドエラーを繰り返さないと、人間も集団も伸びては行きません。不必要なトライアンドエラーはありませんので、仕方なかったと諦められない時は、まだ、もう少しだけ「時」にゆだねて、あなたの経験値を上げてから振り返ってもいいのではないでしょうか。


まいにち見るのに意外と知らない IT企業が儲かるしくみ
藤原実
技術評論社
2014-03-11(すいません、わたしはコンテンツを持っているけれど、儲かってないです苦笑)