逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 Mook)
指原莉乃(HKT48)
講談社
2014-08-11

こんにちは。

観葉植物や、樹木に欠かせない事として、「剪定」があります。

「忌み枝を処理する方法として用いられる。剪定する枝の代表としては枯れ枝徒長枝平行枝下垂枝競合枝・交差枝(枝と枝同士が交差している状態)・病気枝・からみあった密度の高い状態になった枝などが挙げられる。(WIKIPEDIAより抜粋)」

これを見ていただくと分かる通り、病気になった枝を取り除くのは、病気になった枝が、他の枝に影響を与えない様にするためであり、他には、あまりにおなじところに葉が重なり合うと、そこもランダムに刈られてしまいます。基本的には、よりよい状態にして、更に樹木の生命力を復活させる為に他ならないのです。

となると、これから、企業で、どうして、あなたが弾かれた理由がなんとなくわかりますか。

あなたは、企業の中でどの枝やどの葉っぱの役だったのか、よくわかるでしょう。それに対し、非情な決断を下すのは理由は簡単なんです。自分達のこれからに「役に立たない」ところを切り捨てたに過ぎない。役に立たない判断の理由が非常に「偶然」的な選択なのですが、その偶然に沢山お目にかかる人も多いと思います。

優秀で、人一倍役に立っていたけれど、病気になれば仕方ない。役に立っていたけれど、枯れてしまえば仕方ない。色々と切る側にも、ご託はあるものです。

ちなみに、わたしは、色々な仕事に就いていますが、わたしの辞め方は過去決していいものではなかったです。冷たい会社にしがみついて、守秘義務を背負って大金とともに辞めたり、冷たい会社に散々依存させておいて、ぱっと条件がよい職場を見つけると、その会社を切り捨ててしまう。そんなところも意外にありましてね。決して、会社だけが非誠実であっただけではなく、わたしもまた、自分の条件を良くするために、会社に非誠実な態度を取らざるを得ないところなんて結構ありますね。

そんなことは、会社の人事の人にとってみればお互い様なところあります。

また、剪定は、採用の際にも行われます。明らかに、何年かうちで仕事したらよそ行くだろうと思える社員に金をかけたがる企業はいません。また、明らかに、うちとどこかを掛け持ちしていて、結局は記念受験とか、お試し受験だろうと思われる人を選ぶことは少ないです。
オーバースペックな人程、採用されないことを気にかける面もあります。

これもまた、オーバースペックには、きていただきたくない面を会社は持っていると思います。よそに逃げられるか、はてさては、オーバースペックぶりを披露し、周りを巻き込んでけんかの種になりそうな人材も採りたくないと思わせる人材ですよ。

以前のわたしにも、明らかに「オーバースペックでごめんなさい。」という就職先に応募したことがあります。いやー、面接でネチネチ、「あんたオーバースペックだよ」と言われるのですわ。あれは、オーバースペックを承知で応募したわけで、わたしの狙いは、昼休みにブログを書ける仕事を探していたわけで、オーバースペックでありあまる分をどこかにぶつけようと思う魂胆があったのですよ。
しかし、そんなことを企業に言えるわけもなく、企業からは、書類選考に通ったけれど、「オーバースペック」について、散々嫌味を言われ(ex.俺よりいい学歴で、俺より職歴が良くて、どうしてここを選ぶの?とかね)、正直書類審査で落としてくれと思ったところがありました。

メンタルに弱い人だと、「オーバースペック」当たり前で、「でも仕事を下さい。お願いします。」と備考欄に書けない事を面接で言うわけですが、それでも、精神関係の障害だと、言えば絶対、圧迫だの何だの攻撃されるかもしれないし、第一、当人のメンタルに響きますからね。
企業にとっても、書類審査で落としてしまおうと思う面はありますよ。危ない橋は渡れないのが実情です。

でも、偶然で刈り取られた剪定の葉が、もしあなただとしても、その偶然は、きっと次に繋げるために、「今何かをしなくちゃいけない」と思って焦ってはいけません。少なくとも、わたしは、障害が確定し、重い症状が抜けるまで、取り敢えず、暇だったので、心理学を勉強しに行きました。

不思議なものですけれど、ただのオカルト趣味の霊脳関係から、より良い育児の為に、また自分を納得させる為に勉強した心理学が、後に身を救ってくれるとは思いも寄りませんでした。

しかし、あなたも、焦らず、繋がる未来の為に、何かを探して活動は続けておいた方が、職歴の関係上ブランクは少なくて済みます。

偶然で剪定されて、偶然でリストラされて心の声は、自信を失って枯れはててしまう、そんなことが、社会人として良くありがちなことですが、きっとあなたの未来の為に、あなたの「ぬるま湯に浸かる事を選択しなかった、あなたの何か」が、導いている事だと思うんですよ。それは、なんでしょうね。あなたの中の何かかもしれないし、あなたの可能性を見つけた人の願いかもしれないし。未知の可能性に挑んでほしいのだと思うのです。

偶然ですが、それを運命に変えて、そこから何度でも立ち上がることが、どんどん自信回復に繋がります。

負けていちゃだめ。それは、あなた自身に負ける事になるのだから。もっと「いいあなた」になって、「あの時、剪定して(あなたの為に)良かった」と思われるような(惜しまれるようなことは絶対にないから)ケミストリーを起こしましょう。

もっと「いいあなた」になれば、理不尽に理由を求めたがらなくなります。

あなたも、さしこのような「寒ブリ」になりましょう。苦労させればさせるほど花開くあなた。
こう思われたのだとしたら、実はかなり名誉な事だと思います。




意外と会社は合理的 組織にはびこる理不尽のメカニズム
レイ・フィスマン
日本経済新聞出版社
2013-12-14

意外と知らない 図解 会社のしくみがわかる本
福地 稔
日本能率協会マネジメントセンター
2009-10-31