こんばんは。
心理学の用語や精神医学の用語に、「マニック」と名がつくモノがある。マニックとは、躁的な状態を意味する。
さ て、この記事の表題は、「マニック・ディフェンス」(躁的防衛)だが、この意味は、中々奥が深い。通常の意味合いとしては、ニコニコと外面のいい人が安請 け合いしてくることや、とにかく嫌われたくない人が、「安請け合いしてしまった」ことについて、心の中で嫌われたくないという不安を解消するために、「安 易に引き受けること」で防衛したという意味にとらえられている。
ところが、一見考えると非常にマニック・ディフェンスは、所謂、Facebook等で一生懸命「幸せです」とか「お金が集まっています」とか「感謝感謝です」とか、「家族仲良しです」と叫び続けるところにも見受けられることに気が付く。
わ たしは、ある家庭を知っている。そこのご亭主は、一生懸命努力はするが、所謂エリートという路線には届かない男である。そして、その男は女を馬鹿にし、女 なんて努力はしないし、すぐ泣くし、諦めも早いし、結局くだらない生き物だと考えている。恐らく今も考えていると思う。
彼は、わたしに出 会った時、「諦めの悪い女がいる」と思ったと言う。その後、諦めの悪い女は、諦めの悪いなりに自分なりの規則性を組み立てて、ことを成し遂げていく。その 時、その男は、「馬鹿にしていてすみませんでした」と謝ってきた。しかし、その男が妻にした女性は、努力が嫌いで、泣いてごまかせば、自分に有利に事が運 ぶと考えている浅慮な女であった。
この女性は、マニック・ディフェンスが大好きで、既に夫婦は普段こんなだろうなと思う程、会話が弾まない状態である。
男の努力する仕事に際し、「金銭面で裕福になること」に関して、異様に執着を燃やし、過剰関与してくる。男の転職を決めさせたのは、ほぼその女の功績である。
そ こで、女は、満たされない思いがそれでも吹き出してくることに対し、努力では解決つかないことから、マニック・ディフェンスにて、防衛しようと考え始めた のだろう。とにかく、うちは幸せです。うちは金持ちです。うちは家族仲良しです。うちは・・・・うちは・・・・と、アピールを延々と行う。
行えば行う程、彼女がどの辺で満たされない思いを抱えているのかが明白に分かってくる。
お 金が満ち足りていますとか、持ち物をアピールするさりげない写真を載せ始めれば、もう、彼女の頭にはセレブを装う事しか脳にない。家族が不穏になればなる ほど、過去の写真や家族をこれでもかとアピールする写真が入る。他に、解決つかない部分について、夫婦間が亀裂でも入れば、もう、ここに二人で行った、あ そこに二人で行った、そんなオンパレードである。
これがFacebookに、幸せ自慢、金持ち自慢、エリート自慢、とにかく、自己宣伝に使えるものであって、彼女のプライドを満たしてくれるものであれば、何でも使う。下手したら、とんでもない昔の写真も持ちだしてくる。
スピリチュアルにも、似たような種類がいる。
お 金が増えています。人脈が増えました。感謝です。満たされています。自分には特別な能力がある。皆さんは自分の能力で頑張ってください。色々と言えばいう モノであり、こういう人に、また別の人が群がって、お金を儲けさせてくれるのではないか、自分もあわよくば、2匹目のドジョウになれるのではないかと願っ て集まりだす。
それで、まぁ、いつものことだけれど、独り勝ちは結局日本ではどんな企業や経営体制にしても許されない面が多いので、スピリチュアルもそれと同じである。
2匹目のドジョウなんて、その人間は作るつもりはない。よしんば才能があったとしても、自分より才能があったら、潰すつもりでいる。才能がなければ、ないなりに、言い訳は幾らでもできる。所詮、どうでもいいことをひとに言って、それで、なんとかしようと思うのであろう。
わ たしも、今の仕事のコネを紹介してくださいと言われて、誰かに紹介できるものでもないと思う。そもそも、紹介してわたしの顔を潰さない働きができるかどう かは、分からないからである。顔を潰さないなと思う人には、遠慮なく、「ブラックですが、どんなことをしても心折れないと覚悟できるのであればどうぞ。」 とほほ笑んで紹介してみると、大概の人は、「やっぱ辞めておきます」と言って遠慮する。
いや、遠慮しなくてもいいんだとは思うが、幸せや、 達成感や、行った行為による万能感は、当人の努力でのみ得られることであり、決して、「コネ」とか、「横入」とか、「便乗」で得られることではないと思 う。勿論だが、奇跡だとか、金が儲かる、奇跡の人脈とか、騒ぐ人は、騒ぐことで「利権があるから騒ぐ」のである。
営業と、マニック・ディフェンスは、極めて表裏一体をなすとわたしはよく考える。
人は足りない処を補いたがる。それが、もし、慢性的な金欠なのであれば、人はそれを補うために、「金」を得られる何かを行おうとし、努力をあまりしないで儲かる方法に群がるのではないだろうか。
わ たしは、努力以外自分を救いたもうものは、何一つないと考える。わたしは、マニック・ディフェンスになってまで、守ろうとする前に、まず、自分の中と家族 の中や、根本的解決を考える。そのために、できる努力をする。決して、マニック・ディフェンスで、解決を図ろうとは思わない。
いい人ぶって、他人に愛想を良くしても、それは自分のためにも、周りのためにもならない。
それでも、何故、外面のいい人がいるのかというと、これは、人との距離を上手に取れない人間がいるからである。偽善者は、いい人ぶるのがお仕事である。
朋