こんにちは。

作ってみて、作れないことはない、呪術的なアクセサリー。

本気でつくろうとして、見積もりを出せば、高額なこと、請け合いである。地金が高いし、中々、デザイン料や技術料まで込むと高くなる。

 

そんなんで、そもそもあまり作る気はないのだが、作る人や持つ人について一旦考えてほしいことがある。

 

ナニワ金融道で、「欲は海水や。飲めば飲むほど、のどが渇いて、もっと欲しくなる。」と、こんな答えがある。

 

つまり、ギャンブルでも何でも、寸止めできるだけの自制心を持たないと、結局は破滅するという話である。

 

株でもそうだが、上がりそうなとき、頭に血が上ってドンドン注ぎ込んでいく。一旦株価が落ちて危ないと思った際に、とっさに売ってしまう。その上が りそうな時に、どこが潮時かをわきまえる冷静な判断力がない人には、扱えないシロモノである。落ちた時の売りどきを知らない人には、扱えないシロモノであ る。

 

実際、呪術のアクセサリーをして、目立つほどの大きくなる話は聞いたことがない。カリスマ性のあったアドルフ・ヒットラーでさえ、結果的には、ロシ アで苦戦し、自決へ持ち込まれる。結局、進む道に大きな富があった場合、必ず引き替えにさせられるのは、「欲」と天秤に乗った「破滅」である。

 

欲は、どんどん増える。過剰に増え、結果的に次から次へと欲しいものが出る。その上昇気流を作るのも登るのも、己の力量次第であるが、コントロール不可になった際には、潔く手を引くだけの気持ちがなければ、結果として、破滅が待つ。

 

なので、呪術的アクセサリーが欲しい人も沢山いるからこそ、安価な3000円台でできるパワーストーンは、庶民に好まれた。今じゃ、している人は少 ない。水晶のブレスをしている人は、意外と、ゴルフの肩こり防止のために、右につけている。左にしている人はメンタルの弱い証。

 

そんなところから、富を強く望み、登ろうと思う気持ちは分からんでもない。でも、こんなアクセサリーは、結局は、海水を飲んで乾いた喉になるよう に、乾きや、苦しみや、結局は破滅を意味する。なので、その自身が、ここで辞めるというところまで線引して約束しない限り、持っても意味が無いだろう。 もっとも、線引したラインを人間はすぐ、いともたやすく、覆す。

だから、そんなものを扱える人はいないんだよ。

 

自分も過去、溺れたことがあったが、結局は、ジリ貧のままだった。自分で努力しなければ、何一つ運は開けない。その運を開く際に、手がかりとしてだけ望むのであれば、問題はない。しかし、手がかりとして以上を望むのであれば、破滅を覚悟して行くしかない。

 

そもそも、飽食になって、それでも、金を儲けるのが好きな人は結構いる。でも、彼らは、足がかりができたら、そういうグッズを捨てる。後は自力で、 山を登ればいいからだ。問題は、登る山をどれにしたらいいか、わからないことが問題であり、それは、実に本人の選択としかいいようがない。

 

世の中には、誠に奇妙な話があるけれど、その場合、それもひとつの運である。

 

あなたの家に、いわくつきの古文書がない場合は、諦めて、こういう方面の運が無いのだと思って、別で挑んだほうがいい。

 

奇妙な話として面白く受けてくれればいいが、本気にとってしまうと、恐らく、日本の中で、ジリ貧にならないものを作れる人がいるかと言ったら、いないと答える。わたしは、Sさんによく頼まれるが、それは、わたしがSさんをよく知るからである。

 

知らない人には、全くできない話。

 

それを、パッと見て作るんだとしたら、相当な山師だね。もし、作れるなら、殆どの宝石店が倒産したり、閉店しないはずだろう。

まぁ、頼む人も山師なことは請け合いだけれど、自制心がないうちは、扱っても逆に破滅になるだけだと思う。

呪符も同じようなもの。

 

「欲」と「破滅」は天秤に乗る。

 

 

 


図説 日本呪術全書
豊島 泰国
原書房
1998-09