こんにちは。
「10年後に食える仕事、食えない仕事」っていう本が出ていたので、ちょっと読んでみました。
今、仕事に就いている人は、その仕事が一生ものだと思っていますか。
国境がボーダーレスになったら、安い人件費に企業は変えたいと思うはずですし、その方が、会社として儲かります。その時、あなたの給料は果たして適正と言えるのであろうか。そして、海外から来るであろうライバルに、打ち勝つ事はできますか。日本人であるメリッ
トを最大限活かし、長く続けられる仕事はなんでしょう。二ヶ国語喋れればいいってことじゃありません。
あなたが、日本人であり、日本人の価値観にあったも のを日本人へ提供していく仕事こそが、長続きの秘訣になります。
私は昔、米国系金融SEとして働いていたことがありまして、その後、インド系金融SEとして働いた事もありました。米国系では、私は、既 存のSEとしての売り方だけではなく、実は、英語を喋り、尚且つ、日本人の価値観を外資系に提供し続けていきました。無論ですが、ニーズがありました。し かし、相手は、やはり欧米なので、そうなったら、どんどんこれもやってもらおうと思うずうずうしさが出てきました。
自分の中では、貸しと借りを上手なバランスに乗せて提供し続けました。
インド系に移った時は、あまりに価値観が合わないので、あっという間に辞めてしまい、職歴に残るようなものではありませんでした。そもそも、かなり 強引に言ったもの勝ち。インド、中国は、超個人主義なので、がめつくせっつく位アピールしないと意味がないです。故に、私は、会社の内部では、超個人主 義、会社の外部では、日本人的なチームワークや、ネットワークを大事にしてきました。
多少無理な事を言われても、日本人の場合は、「自分が無理を言っている」という自覚があります。
だから、その無理を通した時には、こっちの無理も聞 いてよねってことで対応できました。問題は、インド人などの場合には、「自分が無理を言っている」という概念が初めからないので、「言って通ればリーチ一 発」って一か八かなところがあります。だからこそ、彼らに対応する時は、無理を言っているなと思ったら、すかさず、その「無理の代償」を求めたわけです。
私の給料がうなぎのぼりに上がっていくので、ヒステリーを起こした外国人上司もいましたが、私としては、それだけ無茶な事を言うのなら、対価はきちんと得られないと意味がないです。実際、その人が「こうだったらいいのにな」ってことを、どんどん技術的に叶えていくわけです。自身の勉強は、休む暇なく ドンドンインプットしていかなくては、落ちてしまいます。報酬が適度にあるのは、当たり前のことです。
しかし、その考えは、欧米では通用するのですが、インド系の経営者の下では通じませんでした。理由は、彼らは、既存の取引相手がいる派遣の金融 SE所属会社をライバルにして、そのおこぼれから、牙城を崩してくことをビジネスとしています。だから、極端に言えば、今まで参入している会社は、言い値 でSEを派遣できるのですが、残念ながら、後から参入するとなると、「価格が恐ろしく安く、一定以上の成果がだせないと派遣できない」事情があるのです。
今では、茅場町あたりなどの外資系産業に食い込もうとして、インド系が頑張っているようですが、日本人のチームワークと、インド人のチームワークで は、違いがありすぎます。米国系は、そもそも外人部隊として、日本人、米国人なりがチームを組んでも、ある程度出来るんですね。ところが、インド系になる と、これがチームにならなかったんですよ。誰かが必死になってやろうとすれば、そいつに任せて、自分はタバコを吸ってくるとか、コンビニに行くとか言いだ す技術者が多くてね。
こりゃ、必死になるだけ、無駄。どうせチームで送られているのなら、自分が頑張らなくても人が何とかして、その時間の自分の給料は楽勝で安泰である。そう考える人が、超個人主義の中国人、インド人に多いんですね。
私がインド系であっという間に潰れた理由がこれですかね。適当に頑張ろうとしないで置いておくと、結局できないんですよ。当然、派遣先 には、日本人がいます。その日本人に、「日本人的価値観」の提供を求められます。自分が手を抜こうとすると、途端「私だけ」のクレームが会社に入ります。 結局、日本人であることがデメリットになったわけです。
インド系は、出来ないことに対して、割と誰も罪悪感を持たない。インド系経営者は、腹が立ってキリキリするんですが、これがね、単品派遣になると、凄まじ い意欲でやる気になるんですよ。頑張った成果=報奨金にダイレクトに結びつくからですね。集団であれば、頑張った=集団に対する報奨金になるので、やる気 が出ないのですね。モチベーションが高まらない。案外、現金なものです。
誰もが できる仕事であれば、安い人件費で済む人に取って代わられる。外資系だと、その点がきついですね。自分が常に卓越していなければ、生き残っていかれないわ けですから。バトルを繰り広げて、勝った人は報酬が青天井。負けた人は、生活保護同然状態。
それを、これからやろうというわけですから、格差格差と申しますが、これから先の格差は、ハンパないですよ。世界を相手に青天井を目指してバトルす るか、それとも、どうしても日本人でなくてはならない仕事に就くか。そして、敗者となって、生活さえもままならない状態まで落ちるか。特に、フリーターには厳しい状況が待っていますね。
割と簡単な本でしたが、ちょっと私の今までの経歴からの考えをつけてみました。ご参考までに。
朋
(こっちは、冬に活躍する期待の星です。どちらも、人の首に巻かれるだけの簡単なお仕事です笑)